使ったデッキは青単信心。

20 Island
4 Mutavault
1 Nykthos, Shrine to Nyx

4 Frostburn Weird
4 Judge’s Familiar
4 Master of Waves
4 Nightveil Specter
2 Omenspeaker
3 Simic Manipulator
4 Thassa, God of the Sea
4 Tidebinder Mage

2 Jace, Architect of Thought

1 Bident of Thassa
2 Cyclonic Rift
1 Rapid Hybridization


1 Bident of Thassa
1 Cyclonic Rift
2 Dissolve
3 Gainsay
1 Negate
1 Nykthos, Shrine to Nyx
2 Pithing Needle
2 Prognostic Sphinx
2 Rapid Hybridization


デッキの使用感を確かめるため、お試しで週初の大府ダンジョンのサイドイベント(スタンダード)に参加した。

R1 ジャンドコントロール ○○
R2 赤タッチ白信心 ○○
R3 赤単 ○○


手ごたえを感じたので、微調整をほどこしてラストサン予選に。


R1 オロスコントロール ○○
R2 怪物グルール ○×○
R3 セレズニア ○×○
R4 白タッチ赤ウィニー ○○
R5 青白コントロール ○--(IDした)

1位通過した。


シミックの干渉者がおばけ。

青単、白単、セレズニアなど除去が薄く横に並べる系のデッキに対して圧倒的に強い。3t目干渉者、4t目波使いの動きだけで勝てるゲームがたくさんある。何回でも使える家畜化と考えればその強さがわかるはず。

既に東京ではこのゑちゃんやとよさんが、兵庫ではkaoruさんが干渉者青単に惚れ込んで結果を残しつつあると聞く。

シミックの干渉者が青単のマストパーツになる日も近い(確信)

GPT静岡@岡崎

2013年11月3日 TCG全般
R1 赤単スライ 〇×〇
R2 赤タッチ白信心 〇〇
R3 青単信心×〇×
R4 青白コントロール ×〇×
R5 青白コントロール ××
R6 青単信心 ××


昨日のGPTで青単を全然見なくて油断してたらこのざま

精進しよう

GPT静岡@大須

2013年11月2日 TCG全般
チャンスのDNからリストを拾ってきて、持ってないカードを何枚か雑に入れ替えた

R1 エスパーコントロール ○○
R2 青白コントロール ×○○
R3 コロッサルグルール ×○○
R4 白単信心 ×○×
R5 エスパーコントロール ○×○
R6 赤タッチ白信心 ID

SE1 エスパーコントロール ○○
SE2 ジャンド ××

デッキが強かったこなみ
君が秘密日記で教えてくれたデッキを70枚くらいコピーしたよ

GPTに出たらSE2没だったよ

これからもよろしくね



名古屋初MtG

2013年10月26日 TCG全般
ホビステ名駅店のスタンダード大会にて

4 Desecration Demon
4 Gray Merchant of Asphodel
2 Lifebane Zombie
4 Nightveil Specter
4 Pack Rat

2 Devour Flesh
2 Doom Blade
4 Hero’s Downfall
4 Thoughtseize
2 Ultimate Price
3 Underworld Connections

4 Mutavault
17 Swamp
4 Temple of Deceit


2 Dark Betrayal
1 Devour Flesh
1 Doom Blade
2 Duress
1 Lifebane Zombie
3 Pharika’s Cure
2 Pithing Needle
1 Ultimate Price
2 Whip of Erebos


R1 エスパーコントロール ○○
R2 オルゾフミッドレンジ ×○○
R3 黒単信心 ○×○
R4 グルール ×○×
R5 黒単信心 ○○


黒単強い
明日から愛知県民です^^
http://blog.mtgmadness.com/index.php/pro-tour-dublin-report-5th/guillaume-wafo-tapa


 記事の執筆というのは私にとって得意分野ではなく、しばらくの間ライターとしての活動はしていません。それが嫌いというわけではないのですが、正直言って非常に骨が折れる作業なのです。しかし実は何でもできる人間になりたいと考えていて、執筆のスキルも向上できるはずだと思っていたので、ずっともどかしい思いをしていました。先週末にMTG Madnessに加入し、ライター業に携わる機会をいただいたこともありまして、このたび再び寄稿するに至りました。

 最初はトーナメントの内容について詳細にレポートしようと思ったのですが、申し訳ありませんが当時のメモが残っていない上に私の記憶もあいまいなのです。しかしPatrick Chapinから、「大会の各ラウンドであったことをいちいち報告するよりは、デッキ構築のプロセスやカードの選択基準について記事にした方が面白い」という、素晴らしいアドバイスをもらいました。そういうわけで、今回の記事は以下のようなものになりました。

 まず今年の夏に、Raphael LevyからTeam Revolutionに勧誘されました。当時のメンバーは Melissa DeTora、James Searles、Raphael Levy、Miguel Gatica、Rob Castellon、Mike Castellon、Louis-Samuel Deltour、Pierre Dagen、Jeremy Dezani、Yann Guthmann, Timothee Simonot、Stephane Soubrier、Paul Ferret、Guillaume Maugerという面々でした。その後、テーロスのスポイラーが公開される時期になって、私はとてもわくわくしました。私はテーロスの世界観が大好きで、デザインの完成度が高いセットだと思います。
 チームの予定は、プロツアーの2週間前の日曜日にダブリンに集合し、10日間をかけてデッキを調整するというものでした。一見すると余裕のあるスケジュールですが、プロツアーが複合フォーマットであることを考えると、とても限られた時間だと言えます。

 全員が2週間前に到着していたわけではありません。こうなることが最初から決まっていたのかどうかはわかりませんが、初日に集まったのはちょうど8人だったのです!このおかげで、すぐにドラフトの練習を開始できました。私は自らに、「プロツアーまでの毎日に、1日当たり2回のドラフトを行い、その結果をチームメイトと議論する」というノルマを課しました。

 構築の方はやや問題がありました。思い起こせば、チームとしての調整はあまり機能していなかったような気がします。調整なんてやらないとまで言い出すような奴もいました。しかしそれでも私たちとしては、これに取り組むほかありません。チームがまだ若いこともありまして、こうなることは仕方なかったのかもしれません。やることは基本的に、デッキをひたすら組んではそれを回すだけです。私はできれば(…と言いつつ絶対にそうしたでしょうが)コントロールを使いたかったので、それに向けて良い案がないか探し始めました。最高のコントロールを検討するのに付き合ってくれたのは、チームの中ではLouisだけでした。2人でいろいろなことを議論し、彼のおかげで私たちは多くの結論を導き出すことができました。

 全くの新環境でコントロールデッキを組み上げるというのは、とても疲れる仕事です。最初に、仮想敵のアグロデッキを組み上げることと並行して、選択肢のリストから不要なものを選別することと、不足しているものを明確にすることから始めました。今回の場合、デッキ構築は3つの要素から制限されていました。まず、マナベースのことを考えると2色で組むのが良さそうですが、3色目を加えることも考慮すべきだということです。M10ランドはショックランドと組み合わさり完全に機能していましたが、テーロスの2色土地ではそうはいきません。次に、現環境には使用レベルに達している全体除去が2種類しかないことです。《神々の憤怒》と《至高の評決》がそれです。最後に、ドロー補助は青または黒でしかできないので、青白・赤青・赤黒のいずれかをベースにしたデッキしか候補になりえないことです。

 私はさっそく選別を開始しました。つまり、弱そうな戦略を試して、その後それを廃棄することです。今回の場合、青白コントロールは全ての点において満足がいきました。《至高の評決》は実に素晴らしいカードでした。クリーチャー以外のカードでは最大級の脅威ですし、制限のない《神の怒り》ということで少なくともクリーチャーの問題は解決できます。《アゾリウスの魔除け》もまた、青白を選択する理由の一つとなります。もちろん青白を選ぶ最大の理由は《スフィンクスの啓示》です。

 次に私は、《神々の憤怒》を使ったデッキを検討することにしました。《アゾリウスの魔除け》では、対戦相手のターンの間に干渉することが困難です。このデッキは《アゾリウスの魔除け》や《拘留の宝球》など、非常にタップアウトしやすいデッキです。使用上の注意として言っておきますが、《アゾリウスの魔除け》はほとんどソーサリーのようなものですよ。タップアウトするデッキでは、その名の通り受動的な行動がほとんどありません。タップアウトしていると行動パターンが読みやすいので、対戦相手にとって危険を察知しやすくなり回避も楽になります。ご存じだとは思いますが、強力なコントロールデッキは、インスタントタイミングで行動することがほとんどです。我々が今日「Flash Game」と呼ぶようになったように、インスタントタイミングでの行動はそれ自体が大きな価値を伴うのです。
 赤を加えることで、この問題を解決できそうな気がしました。打消し用のマナを構えつつ戦場を一掃することができるため、《神々の憤怒》は打消し呪文を多用するプランと非常に良くマッチするだろうと考えたからです。

 インスタントタイミングでのカードの引き増しは、マジックの歴史を紐解いても重要な問題であることがわかります。テーロスで登場した《蒸気占い》は使用に耐えうるレベルにあるか、興味がありました。しかし結論から言うと、その弱さには失望させられました。単刀直入に言って、《霊感》より少し強いかな、という程度です。決して悪くはないのですが、興奮するほどではありません。コントロールデッキをプレイするというのは、いわば相手の行動に追随し、それに追いつこうとすることです。カードを引く行為は相手に対する回答を見つけ出すための手段です。しかし《蒸気占い》が、あなたが欲しているカードを供給してくれることはまずないでしょう。その一方で、何を引いてもいいような状況を演出できればもっとこのカードは効果的に働くと考えたので、すぐさま廃案にはしたくありませんでした。例えば《熟慮》や《瞬唱の魔道士》のように、墓地を活用できるなら活躍できたかもしれません。しかし今回は、私が期待するようなドロー能力を備えていないという結論に落ち着きました。

 巨大なクリーチャーやプレーンズウォーカーを破壊できないため、イゼットカラーのデッキはすぐにグリクシスへと変貌しました。《蒸気占い》を《思考を築く者、ジェイス》と取り換えてまもなく、グリクシスはエスパーの下位互換だということに気づき、廃案にしました。少しの間だけ、ラクドスコントロールも検討しました。このデッキには確かな選択肢があり、長所もいくつか見られました。しかし結局《スフィンクスの啓示》を使った方が良いということになり、このデッキにそれほど時間を割くことはありませんでした。

 ここからがダブリンでチームに合流した時の話です。合流に先立って、私は既に地元で調整を行っていました。これ以降の記述では、【私たち】というのは【Louisと私】を指すものと考えてください。私たちはまず青白コントロールの調整を始めました。既に述べたとおり、特に使いたいカードがなく、わざわざ選択する理由が見つからなかったので、赤をタッチすることはしませんでした。「バントフラッシュ」というデッキの可能性を見落としたくなかったので、《ワームの到来》などの良さげなカードを使ったタッチ緑のデッキも試しました。しかし、予期していたような活躍をしないまま、デッキは失敗に終わりました。

 ここで、私たちが予想していたメタゲームについて触れておきます。《スフィンクスの啓示》は前回のプロツアーでは非常に強力なカードだったため、今回のプロツアーでもそれを使ったデッキが一大勢力を築くだろうというのが周囲の見解でした。この点について、私たちはエスパーというデッキがコントロール対決で有利に立つだろうと確信していました。ほとんどの人がエスパーまたは青白を仮想敵のひとつとしていたはずです。これらのデッキに対して非常に相性が悪いため、私たちは青単信心というデッキを使おうとは思いませんでした。
 私が恐れたのは、参加者全員がコントロールを目の敵にしているなら、そもそもコントロール自体に人権がないのではないかということです。ここに、私が青白よりエスパーを好む理由のひとつが隠されています。青白2色ではできることが限られているので、対策も簡単に立てられます。エスパーが危惧すべき点はそのマナベースですが、調整を重ねることでベストな土地バランスを見つけることができました。占術土地はとても素晴らしいカードです。最初にこれらの土地を見た時の印象は「ギルド門よりはマシかな」程度だったのですが、それらがはるかに優れていると分かるまで時間はかかりませんでした。次のターンに引くところだった不要牌をライブラリーの底に送る能力は、特にコントロールデッキにおいて役立ちます。優先して削るべきは、占術ランドよりもショックランドだとすぐにわかりました。

 エスパーを使う上で最初に行ったのは《悪夢の織り手、アショク》がどれほど優れているかということの検証です。何といっても3マナのプレーンズウォーカーなのですから、私もかなり期待を寄せていました。
 最初にがっかりしたのは、このカード1枚だけではゲームに勝てないと悟った時です。コントロールを構築する時に、フィニッシャーをどうするかという問題は常に付きまといます。多くの場合高マナ域のカードを採用することになるので、それが手札で腐りながらゲームに負けてしまう、なんてことも多々あります。昨年までは《ネファリアの溺墓》が使えましたが、今年からは仕方なく《霊異種》のようなカードを使うしかありません。《悪夢の織り手、アショク》の話題に戻りますが、このカードを使っていて、これが単独で仕事を完了しないことにすぐに気づきました。《ネファリアの溺墓》と違って複数枚を並べることができないので、これでゲームに勝とうとすると非常に気が長い話になってしまいます。このため、ゲームを終わらせるための別のカードを検討しなければなりませんでした。
 場に出たターンには盤面に何も影響を及ぼさないので、アグロ系のデッキに対してはわずか数点のライフ損失を防いでくれるカードでしかありません。もしクリーチャーを捲らないようであれば、相手は《悪夢の織り手、アショク》を無視してあなたを攻撃してくる可能性さえあるのです。そしてもし次のターンにクリーチャーを捲れば、今度は標的をそちらに移し替えるでしょう。このような対処法は、どんな除去呪文を唱えるよりもひどいものです。
 対コントロール戦の場合でも、期待していたほどの活躍はしてくれませんでした。動きが悠長であり、盤面を固めて勝勢が確実になった時以外では効果的とは言い難いカードでした。
 この時《記憶の熟達者、ジェイス》が脳裏に浮かびました。このカードで最も使用するのは、1枚だけ削る方ではなく、一度に10枚を削る能力だと思います。こちらの方がよりゲームに勝ちやすくなるでしょうし、何より《悪夢の織り手、アショク》ではこのような芸当は不可能です。こちらはわずか数ターンしか存在を許されず、結局何も仕事をしないまま対処されて終わりです。しかし今回は、本当はあっさりと廃案にはしたくありませんでした。実際にはどうなのかわかりませんが、偏見を持たないことは大切なのです。

 今回私が使用したデッキリストを載せておきます。

4《欺瞞の神殿》
4《静寂の神殿》
4《神聖なる泉》
4《湿った墓》
4《神無き祭殿》
4《島》
2《平地》

1《霊異種》

4《アゾリウスの魔除け》
4《破滅の刃》
4《英雄の破滅》
1《拘留の宝球》
2《思考囲い》
3《解消》
2《予言》
4《至高の評決》
4《思考を築く者、ジェイス》
2《太陽の勇者、エルズペス》
3《スフィンクスの啓示》

4《万神殿の兵士》
2《ヴィズコーパの血男爵》
2《罪の収集者》
2《否認》
1《反論》
2《拘留の宝球》
1《霊異種》
1《思考囲い》

 デッキのフィニッシャーは《霊異種》1枚と《太陽の勇者、エルズペス》2枚に散らすことにしました。デッキの調整を通して、《太陽の勇者、エルズペス》はとても魅力的なカードでした。アグロデッキ全般に強く、これだけでゲームに勝ててしまいます。これの2枚目の枠を用意するために、《霊異種》か《スフィンクスの啓示》を減らさざるを得なかったぐらいです。1枚だけ入れた《霊異種》は、至る所で発生するコントロールデッキのミラーマッチで大活躍してくれます。4枚の《思考を築く者、ジェイス》と《至高の評決》は鉄板でしょう。《スフィンクスの啓示》が3枚なのは、単に枠の都合によります。

 私は大量のカードを引けるのでコントロールデッキが大好きです。カードを引く行為こそがコントロールの醍醐味であるとも考えています。追加のドローをすることなく6ターン連続で土地を並べることが可能でしょうか?たとえ27枚の土地がデッキに入っていても無理でしょう。4枚の《思考を築く者、ジェイス》は追加ドローの出発点となりますが、これだけではまだ不十分です。もっともっと他のカードが必要でした。《熟慮》があればよかったのですが、今回は《予言》で妥協することにしました。

 除去呪文を選定していて、《破滅の刃》はとても優れたカードだとすぐにわかりました。欠点もほとんど気になりませんでした。黒単デッキも試してみましたが、私たちでは良い構成を見つけることができませんでした。《破滅の刃》は《変わり谷》を除去するのが主な役割となります。他の候補は《肉貪り》ですが、とても《破滅の刃》とは比べられるレベルにありません。2マナ域のカードを最大限に強化したかったので、このカードは全てメインボードに収めることにしました。

 このデッキで意見が分かれるところは、《拘留の宝球》と《英雄の破滅》の枚数でしょう。実際、この問題は今回のデッキリストに関して最も質問された点です。何故《英雄の破滅》は4枚なのか?何故《拘留の宝球》はこれだけしかないのか?メインボードとサイドボードの配分を変えるのはだめなのか?…など。確かに《拘留の宝球》はインスタントではありませんが、各種《神》やその武器への回答となります。複数のカードをまとめて対処できることもあります。では何故こうなのか?
 私の答えは、既に述べた通りです。そう、インスタントでないから。この言葉が意味するところは非常に重要なものです。私にしてみれば、《拘留の宝球》の方が用途が狭いカードなのです。もう少し詳しく説明します。
 エスパーに対して有利なアグロデッキを作ろうとした結果、大体同じカードが採用されることが分かりました。その種類はそれほど多くありませんが、いずれにも共通していたのは《至高の評決》に対して強いということです。例えば以下のカードです。

・《変わり谷》
・プレーンズウォーカー(《ドムリ・ラーデ》、《歓楽者ゼナゴス》)
・《幽霊議員オブセダート》
・《復活の声》
・各種速攻クリーチャー(《嵐の息吹のドラゴン》、《霧裂きのハイドラ》)
・各種瞬速クリーチャー(《加護のサテュロス》、《ワームの到来》)

 ワームトークンを《拘留の宝球》で対処する様子を想像してみてください。5点のダメージを受けた上に、他のアクションが取れたかもしれないのに無駄にマナを使わされてしまいます。これでは大幅なテンポロスです。《拘留の宝球》は速攻や瞬速に対して明らかに相性が悪いカードですし、速攻クリーチャーがプロテクション(白)や(青)を備えている場合さえあります。《変わり谷》を対処することもできません。《変わり谷》は非常に多くのデッキが採用していると考えられるので、この問題は非常に深刻です。
 一方で《英雄の破滅》はこれらの問題を解消してくれます。《英雄の破滅》がインスタントであることがここで(対象の広さとテンポアドバンテージの点から)大きな手助けとなるでしょう。あなた自身は気づかないかもしれませんが、対戦相手はあなたの土地が起きていることを意識して別のプランを選択するようになるかもしれません。
 確かに《拘留の宝球》は、《神》とその武器を処理するという、《英雄の破滅》ではできないことをやってのけます。また《拘留の宝球》はマナ拘束が緩く唱えやすいという利点もあります。しかしそれらが、前述の「インスタントタイミング」という問題を補えるほどのメリットになるとは私は思いません。《神》を対処したいのであれば信心の数を減らすことを目指しましょう。《海の神、タッサ》を《拘留の宝球》することは悪手です。対戦相手は4枚の《海の神、タッサ》をデッキに入れていて、2枚目を手札に抱えているかもしれないのですよ?
 当初はメインボードに2枚《拘留の宝球》を取るつもりだったのですが、既に3マナ域が渋滞していた事が問題となりました。《予言》はどうしても必要ですし、3枚の《解消》もミラーマッチのことを考えると抜けません。仕方なく2枚目はサイドボードに落とすことにしました。

 パーミッション戦略として《中略》を取りたくはありませんでした。タップインする土地を多用する都合で、このカードは使い勝手がとても悪いのです。またローテーションに伴い、戦場に出たり離れることで効果を発揮するクリーチャーは姿を消しました。そのため《本質の散乱》は《破滅の刃》に劣るカードになってしまったのです。クリーチャーには既に対処する用意が十分ありましたので、真に打ち消したいカードはクリーチャー以外となります。序盤に登場するプレーンズウォーカーを打消し呪文で対処することは不可能です。このデッキはタップアウトすることが多く、対戦相手もこちらが隙を見せるまでは重要なカードを唱えるような真似はしてこないでしょう。他のおとりのカードを唱えて、次のターンを待つに違いありません。
 こんな時こそ《思考囲い》が大活躍します。打消し呪文と違って、こちらは非常にマナコストが軽いのです。ずっと3枚で調整してきましたが、1ゲームの間に2枚引くことにうんざりしたのと、序盤に引くだけでよいカードだということもあって、結局2枚にしました。あっ、ミラーマッチではいつでも大活躍でしたよ。

 サイドボードの役割は一目瞭然でしょう。《万神殿の兵士》は最後まで悩んだカードですが、入れておいて正解でした。当初はもっと赤単に強いカードにしようと思っていました。しかしWWを要求する《管区の隊長》は少し欲張り過ぎだろうということになり、《万神殿の兵士》の方にしました。要求するマナが1マナという所も気に入っています。またこのカードはそれ以外のマッチでも活躍します。時々《鋤引きの雄牛》が入っているデッキを見かけますが、何故採用されているのか私には理解できません。
 サイドボードに関してはっきりしているのは、もっとたくさんの《反論》が必要だったということです。逆に《罪の収集者》は入れたことを後悔したカードです。ミラーマッチとセレズニアとの対戦でサイドインするカードということで採用していたのですが(セレズニアには多数の呪文が入っていて、その中には《根生まれの防衛》なんてものもあります)、結局ミラーマッチでもそんなに強いカードではなく、エスパー相手にははっきり言って不要でした。この枠を《反論》にしたり、追加の《思考囲い》や《強迫》にするべきでした。

 今回のイベントに臨むにあたって、私はこのデッキに満足していました。赤単とグルール以外に不利なマッチアップがなかったからです。赤単には、タップインする土地が多すぎることが枷となります。グルールは脅威が多数含まれていることが問題です。《歓楽者ゼナゴス》はコントロールにとって致命的で、彼らは序盤からプレッシャーを掛けてきます。そうそう、そのどちらもが《燃え立つ大地》を採用していますね。この2つには《ヴィズコーパの血男爵》で立ち向かうことにしていました。グルール相手にこのプランが正解かどうかはわかりませんが、調整中に確認ができなかったので実戦で感覚を掴むことにしました。

 チームメイトのほとんどが同じホテルで過ごしていて、それ以外のメンバーも正午には集合していました。全員が集まると、皆の気持ちが高ぶっていくのが強く感じられました。時間とは、とても早く過ぎ去ってしまうものです。私たちが練習に集中するあまり、様子を見に来た人たちが「食事をする場所がないじゃないか!」と文句を言うほどでした。私たちは本当に毎日、ぶっ通しで練習を重ねてきました。決して苦痛には感じませんでした。しかし恐らく今回の旅は、今までで最悪なものだったと思います。ホテルの従業員もサービスもよかったのですが、本当に苛立たしかった唯一の問題は、ホテル前の通りが深夜もうるさくて寝つけなかったことです。

 ついに大会がスタートし、ドラフトの時間となりました。私は練習期間中、ずっと青黒コントロール戦略の研究に時間を注いできました。安く拾えるカードを最大限に活用できるからです。最初のうちはこの戦略は大失敗が続いていましたが、最後の方になるとコツを掴めて成功するようになりました。そのため、本番でもこの方針を貫くつもりでした。初手は《戦識の重装歩兵》を流して《骨読み》をピックし、2手目も同じカードをピックしました。1stドラフトのデッキは青黒になりましたが、決して無理を通した訳ではなく、周囲と協調した結果がこうなっただけです。どういうわけか、チームメイトの中には私の言うことを信用しない人たちもいたようですけれど。結果は1-2でしたが、これが悪かったとは考えていません。ドラフト自体は成功したと思います。欲を言えば、開封した3パック目に《蘇りし者の密集軍》よりも強いカードがあればよかったのですが。ピックが上手くいってきちんとゲームができたとしても、勝負に負けるなんてことはよくある話です。

 これから構築戦の話題へ移ります。ちょっと記憶があいまいなのですがお許しください。最初のラウンドでは赤単と対戦したはずで、この時「ああ、もうすぐ僕のプロツアーも終わりだな…」と思いました。第1ゲームは負けましたが、2本目を《万神殿の兵士》のおかげで取り返しました。3ゲーム目は相手のドローが弱く、サイドボーディングを失敗していたのでこちらが勝ちました。彼はデッキに火力呪文をたくさん残していたのです。
 続く試合はエスパーコントロールのミラーマッチでした。この時、サイド後は対処が難しく《思考を築く者、ジェイス》にプレッシャーを掛けられる《万神殿の兵士》をサイドインしてみました。しかしダメージクロックとしては貧弱であり、サイドインするに値するほどではありませんでした。サイドカードとしての役割はハンデス呪文で十分でした。何はともあれ、このマッチも勝利することができました。
 その次は緑単とのマッチアップでした。2ゲーム目を《レインジャーの悪知恵》をケアしていなかったために落としてしまいましたが、それをあらかじめ予測しえたかというと疑問です。
 それからオロスコントロールと対戦しました。この試合はとてもリラックスして臨めました。
 最終戦はセレズニアで、《万神殿の兵士》と《太陽の勇者、エルズペス》が大活躍してくれました。1-2スタートから6-2にまで持ち直せて一安心です。ちなみにこの時、MTG MadnessのFernandoからチームへの加入を打診されました。夕食を少しだけ食べてから、すぐに眠りにつきました。

 2ndドラフトは1stドラフトに比べればはるかに成功したといえるでしょう。最初に開封したパックには黒と青のカードは見る影もありませんでしたので、デッキは最終的に白緑にまとまりました。ドラフト中に、私は最低でも2回ピックを失敗しました。1~2枚ほどカードが足らず、《戦士の教訓》をデッキに入れざるを得なかったのです。正直、今回のデッキが強いのかどうかはわかりませんが、最初のマッチを接戦の末に勝利し残りのマッチでは相手のデッキがこちらより弱いこともあって勝利するなど、運には恵まれていたのでしょう。

 再び構築戦に戻ります。ここでまたエスパーとマッチアップされました。Game 1では対戦相手が土地事故を起こしたところに《思考囲い》がうまく刺さって私が勝利しました。Game2では私が若干マナフラッド気味になり、対戦相手が《思考囲い》で安全確認を済ませてから《霊異種》を唱えてゲームオーバーでした。勝負は3本目に移ります。私は6ターン目に、手札に《否認》と《解消》がある状況で《罪の収集者》を唱えました。彼はこの《罪の収集者》を《解消》し、その返しに《思考囲い》を唱えてきたのです。この時私はこれをスルーしてしまったのですが、ふと嫌な予感がしました。もしかして《解消》を捨てさせ、そして《霊異種》を出してくるのではないかと。そしてそれは的中してしまったのです。もし私が《思考囲い》を《否認》していたら、きっと彼は代わりにプレーンズウォーカーを唱えることしかできなかったでしょうし、私は《英雄の破滅》でそれを対処することができたはずです。私はその時、自身の《霊異種》を抱えていなかったのですが、十分な手札とマナがあったので《スフィンクスの啓示》と除去呪文で《霊異種》の攻撃を凌ぎきることができました。
 その後ナヤと対戦しました。1ゲーム目は相手が白マナを用意できなかったので、あっさり勝利しました。2ゲーム目と3ゲーム目は非常に長いゲームになり、プレーンズウォーカーを巡る攻防が続きました。しかしこちらの《太陽の勇者、エルズペス》と《スフィンクスの啓示》が強く、試合に勝つことができました。2ゲーム目では《万神殿の兵士》をサイドインしましたが、《紅蓮の達人チャンドラ》がデッキに入っているのを確認したので3ゲーム目ではサイドアウトしました。
 次はJeremyとの試合でした。ここで1ゲーム目を落としてしまいました。確信はありませんし、どこをどう失敗したのかわからないのですが、おそらく何かしらのミスを犯したのだと思います。2ゲーム目では、彼の《霊異種》が登場するのを許してしまいました。その一方で、その時私には土地が5枚しかありませんでした。しかし私は、結局《霊異種》を倒すことなく何とかゲームを取り返すことができました。
 これは非常に面白い話です。なぜなら、エスパー用のサイドカードとして《霊異種》が強いのかどうかという話について、私たちのチーム内でも激しく議論が交わされたからです。Pierreの指摘によれば、青単信心にとって《霊異種》は重過ぎるカードだそうです。私も彼の意見に賛成です。《雲ヒレの猛禽》を抜いて《霊異種》を入れるというのは間違いではないでしょうか?もしそうしてしまうと、《思考を築く者、ジェイス》や《タッサの二叉槍》などドロー補助のおかげで勝つこともありますが、そうはいかない場合も出てくるでしょう。たとえ《海の神、タッサ》というフィルターを通してもマナフラッドすることがあり、対戦相手にプレッシャーを掛けるリソースがないからです。さらに言えば、コントロール同系対決の時と違って、エスパーが青単相手に除去を減らしてくるはずがないからです。たとえ1マナを立たせて《霊異種》を唱えたとしても、相手が2枚の除去を手札に持っていたらおしまいです。Pierreは(5マナの方の)ジェイスを気に入っていたので、私もそれでいいだろうと思いました。これが絶対に正しかったとは言いませんが、理屈の上では筋が通っています。ところで私とJeremyの試合ですが、引き分けに終わりました。
 次の試合では三原 槙仁と対戦し、1ゲーム目をこちらがまず勝ちまして、2ゲーム目で彼はマナスクリューしてしまったので私の勝利となりました。最終ラウンドをIDして、これでTop 8入賞が確定しました。

 その日の夜はチームメイトやMTG Madnessの人たちと夕食を楽しみました。その翌朝、私は準々決勝で敗退してしまったのですが、正直言ってがっかりしました。特に第1ゲームが悔やまれます。2ターン目に《思考囲い》でPierreの手札を確認した時、《タッサの二叉槍》を落とさなかったことが敗着でした。今回の結果に必ずしも満足しているというわけではなく、少しばかり残念です。しかしPierreとJeremyの強烈なパフォーマンスに対しては、心からお祝いしたいと思います。Team Revolutionのメンバーや地元で練習に付き合ってくれた人たちには、感謝の意を表したいと思います。

 Guillaume Wafo-Tapa

黒単信心

2013年10月22日 TCG全般
ゲームデーのときに気に入らなかった部分を、GPの結果を参考に入れ替えた

追記: さらにメインとサイドを何枚か入れ替え

4 Desecration Demon
4 Gray Merchant of Asphodel
2 Lifebane Zombie
4 Nightveil Specter
4 Pack Rat

2 Devour Flesh
2 Doom Blade
4 Hero’s Downfall
4 Thoughtseize
2 Ultimate Price
4 Underworld Connections

4 Mutavault
16 Swamp
4 Temple of Deceit


2 Dark Betrayal
1 Devour Flesh
1 Doom Blade
2 Duress
1 Lifebane Zombie
3 Pharika’s Cure
2 Pithing Needle
1 Ultimate Price
2 Whip of Erebos


これから忙しくなると思うので、ちょっとの間スタンダードはお休み。
デッキは黒単信心。


4 Desecration Demon
1 Erebos, God of the Dead
4 Gray Merchant of Asphodel
3 Lifebane Zombie
4 Nightveil Specter
2 Pack Rat

4 Doom Blade
4 Hero’s Downfall
4 Thoughtseize
4 Underworld Connections
2 Whip of Erebos

4 Mutavault
1 Nykthos, Shrine to Nyx
15 Swamp
4 Temple of Deceit


2 Dark Betrayal
2 Devour Flesh
4 Duress
1 Erebos, God of the Dead
1 Lifebane Zombie
2 Pithing Needle
2 Ratchet Bomb
1 Ultimate Price


R1 コロッサルグルール ×○○
R2 エスパーコントロール ○○
R3 ラクドスミッドレンジ ×○○
R4 赤単信心 ID (フリー対戦したら○×○だった)

SF コロッサルグルール ×○○
Final 赤単信心 ○×○


優勝してプレイマットゲット。
欲しがってる人がいたのですぐに売り払った。


余興の頂上決戦 ジャンクミッドレンジ ○○


黒単TUEEEEEEEEEEEEEEEEEE
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=11440

※既にMelissaがトーナメントの結果と我々の調整録について記事にまとめてくれているので、もしかしたら内容が重複しているかもしれません。この記事は補足としてお読みください。MtG以外の内容も含まれているので、きっとお楽しみいただけると思います。

 かつてフランスは最もMtGが強い国の一つで、大規模な大会には必ずTop8にプレーヤーを輩出していました。その中には殿堂入りした者、世界王者、グランプリ優勝者、プロツアー優勝者もいます。世界最強の国について話題になれば、そこには日本、アメリカ、ドイツ、そしてフランスの名前が登場していました。

 ストラスブールで、Nathan Holtから最近のフランスにおけるMtGについて質問を受けました。ここ数年、我々はプロツアーのTop 8にほとんどプレーヤーを送り出してきませんでした。グランプリも同じく不調が続き、特にフランスで開催されたグランプリ(フォーマット:レガシー)なのにTop 8に一人もフランス人がいないなんてこともあったのです。

 しかし私は彼に、もうすぐ時代が変わること、我々が強力なチームを作り上げたこと、フランスが再び強国へと甦るであろうことを伝えました。

 先日の世界選手権の結果はまさにフランス再興ののろしとなるものです。この再興劇を我々は「Revolution」と名付けました。

 チーム自体はもともとプロツアーギルド門侵犯のために、参加権利を持っていたフランス人のほとんどが集結して結成されたものです。メンバーはPierre Dagen、Jeremy Dezani、Timothée Simonot、Guillaume Wafo-Tapa、フランスでのPTQの突破者、Melissa DeTora、そしてチームリーダーのJames Searlesです。チームからMelissaをTop 8に送り出すことに成功し、もっと上位の成績も狙えるだろうと手ごたえを感じていました。

 プロツアードラゴンの迷路では残念ながら好成績を収めることは出来ませんでした。この期間に、Roberto GonzalesとRaymond Veenisがチームに加入しました。チームの何人かがマネーフィニッシュこそできましたが、もともとチームに緊張感が欠けていたことと連携が機能していなかったことが原因で、大会前にベストな調整環境が用意できていたとは言い難い状況でした。

 我々はこの失敗から多くの教訓を学びました。そういう背景があって、今回のプロツアーテーロス(ちなみに私にとって80回目のプロツアーです)に至ります。今大会にあたってWMCメンバーでもあるStephane Soubrier とYann Guthmannの他、Costa Rican、Miguel Gatica、プロツアードラゴンの迷路でTop 8に入賞したRob Castellonとその兄弟のMikeらがチームに加入しました。前回のプロツアーを欠席したWafo-Tapaも戻ってきました。

 9月27日に、友人でもありMtGの最初のライバルでもあるMatthieu Poujadの結婚式に出席するため、私はアイルランドに向かいました。彼はフランスのDCIマネージャーとして活動していたこともあるので、もしかしたら彼の名前を耳にしたことがある方がいるかもしれません。式が終わった後、ダブリンに移動してチームに合流しました。今回、滞在用のホテルを手配してくれたのはJamesです。ホテル自体は洒落っ気のないものでしたが、デッキの調整とドラフトの練習をするには十分でしたし、インターネットへの接続も難なくできました。

(以下滞在記が続くが興味ないので省略)

 …と、まあ余談はこの辺にして、調整を開始した初日からの話題に戻ろうと思います。我々が立てたプランは明快で、ドラフトを繰り返すとともにフォーマットの理解に努めることです。幸い我々のチームには優秀な頭脳の持ち主がたくさんいて、実際に対戦を行って環境を読み解くに十分な人員がいます。まずじっくり時間をかけて環境のアグロデッキを洗い出し、アグロデッキ・ミッドレンジ・エスパーコントロールを倒すための戦略を考えました。そして赤緑アグロが頭一つ抜けていそうだという結論に達しました。しかし同時に、このデッキのマナベースに嫌気がさしていました。5枚の《山》と《カロニアの大牙獣》が共存するデッキが素晴らしいとは思えません。その数日後、Jeremy Dezaniが、Antoine Ruelから情報提供されたという青単信心デッキの存在を教えてくれたのです。メインボードから搭載された《潮縛りの魔道士》の前に、我々が用意した緑系アグロデッキは手も足も出ませんでした。しかしその青単を使ってエスパーコントロールと対戦してみましたが、今度は青単側が完敗する結果となったのです。

 我々は黒をタッチして《思考囲い》と《強迫》を加えてみました。しかし私はもともとデッキのマナベースが歪んで勝率が落ちるということで、2色目を加えることに反対だったのです。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は単色デッキの大ファンなんですよ。ちなみにAntoine Ruelは、プロツアーでは黒をタッチした2色バージョンのデッキを使っていて、成績は39位でした。サイドボードについてもあれこれ検討してみましたが、なかなかうまくいかないものです。最終的に我々は、メインボードに《思考を築く者、ジェイス》を数枚入れ、サイドボードに追加の《思考を築く者、ジェイス》と、《記憶の熟達者、ジェイス》、《霊異種》、そして《否認》を用意することでエスパーコントロールとの相性を改善することができました。

 青単デッキをサイド後からガンメタするような緑系デッキを試したこともあります。しかし《霧裂きのハイドラ》や《闘技》など13枚のカードを入れ替えてみても、勝率は5割がいいところでした。他に何かないかとあれこれ検討してみましたが、どれも失敗に終わりました。青単はエスパーに有利なアグロ系デッキを食い物にすることができ、多少のことではその勢いを止めることは不可能です。我々は結局、対エスパー戦はサイド後からが本番だというつもりで臨むことにしました。

 これが実際にトーナメントで使用したデッキリストです。Melissaが使用したものと75枚同じリストです。

 4 《雲ヒレの猛禽》
 4 《審判官の使い魔》
 4 《凍結燃焼の奇魔》
 4 《潮縛りの魔道士》
 2 《前兆語り》
 4 《夜帷の死霊》
 4 《海の神、タッサ》
 4 《波使い》

 2 《思考を築く者、ジェイス》

 1 《タッサの二叉槍》
 2 《サイクロンの裂け目》
 1 《急速混成》

 21 《島》
 3 《変わり谷》


 2 《霊異種》
 2 《思考を築く者、ジェイス》
 1 《変わり谷》
 3 《否認》
 1 《真髄の針》
 2 《漸増爆弾》
 1 《トリトンの戦術》
 3 《霜の壁》


・クリーチャー

 4 《雲ヒレの猛禽》
 4 《審判官の使い魔》
 4 《凍結燃焼の奇魔》
 4 《潮縛りの魔道士》
 2 《前兆語り》
 4 《夜帷の死霊》
 4 《海の神、タッサ》
 4 《波使い》

 このデッキは様々なクリーチャーを使って勝利を目指します。

 1マナ域(《雲ヒレの猛禽》、《審判官の使い魔》)は後続のために信心を稼ぎながら、最初にライフを攻めに行くためのカードです。《雲ヒレの猛禽》は割と簡単に2/3や3/4といったサイズに成長し、サイド後には《霜の壁》のおかげでそれ以上に巨大化することもあります。Wafo-Tapaは1マナ域のカードを全部排して黒い除去呪文を追加し、よりコントロール寄りのデッキにするべきだと主張しましたが、デッキの安定性を重視してそのままにしました。しかし正直なところ、Wafo-Tapaが言うような青黒バージョンのデッキを十分に調整する時間がなかったというのも理由の一つです。

 2マナ域(《凍結燃焼の奇魔》、《潮縛りの魔道士》、《前兆語り》)は緑系デッキへの耐性を高めながら、コントロールデッキに対しプレッシャーをかける存在です。《凍結燃焼の奇魔》は攻撃して4点のダメージを稼ぐという素晴らしい仕事ぶりを見せてくれます。

 《夜帷の死霊》は《海の神、タッサ》が要求する信心を1枚でほとんど満たしてしまい、《波使い》で3体のトークンを生み出す源になることから、まさにキーカードと呼べる存在です。相手のデッキからカードを奪う能力は決して無駄ではなく、そのおかげで4枚目の土地にアクセスしやすくなります。

 《海の神、タッサ》と《波使い》はこのデッキの根幹にあたる部分です。《海の神、タッサ》をクリーチャーにしてブロック不可の5/5にするか、《波使い》で大量の2/1トークンをばら撒くかして、優位な情勢を築き上げます。

・呪文

 2 《思考を築く者、ジェイス》
 1 《タッサの二叉槍》
 2 《サイクロンの裂け目》
 1 《急速混成》

 このデッキに必要なバウンス呪文はどれが最適か、という問題には悩まされました。最初はデッキのキーパーツを探しに行けるという点から《航海の終わり》を使っていました。このカードは相手の除去呪文に対応してこちらのクリーチャーを救出できますが、《拘留の宝球》などクリーチャー以外のパーマネントに触れないことが問題となりました。次に試したのは《分散》です。しかし調整が進むにつれ、バウンスするパーマネントはほとんど対戦相手の物だということに気づきました。そうなれば上位互換となる《サイクロンの裂け目》の方が優先されます。このカードを超過で唱えれば、場をリセットしてゲームを仕切り直したり、複数の《拘留の宝球》をバウンスして奇襲を仕掛けることもできます。

 最初はバウンス呪文を4枚デッキに入れていましたが、1枚を抜いて代わりに《急速混成》にしました。バウンス呪文では《世界を喰らう者、ポルクラノス》に対して一時的な回避手段にしかなりません。この伝説のハイドラは、大体あなたが《波使い》を唱える時まで怪物化することはないでしょう。怪物化に対応して除去すればダメージを与えられないのでエレメンタルトークンは戦場に残り続けます。《急速混成》であれば、《世界を喰らう者、ポルクラノス》を永続的に対処できるのです。また覚えておいてほしいのは、このカードが緊急時のブロッククリーチャーを用意できること、その色は緑であることです。これは緑系のデッキが《霧裂きのハイドラ》を使ってきたときに特に有効です。《海の神、タッサ》を対象に打ち込んで、クリーチャーの数を減らすことなく3/3を追加することもできます。

 4マナ域にどのカードを配置すべきかも議論を重ねました。私個人としては《タッサの二叉槍》は使いたくありませんでした。このカードはエスパー相手に限定された局面でしか強くなく、しかし時として、それ1枚でゲームに勝てるということもあります。UUという信心を供給すること、除去が困難なこと(←特に重要です)は素晴らしいですが、2枚目を引いてしまった時の弱さは半端ないものです。その点、《思考を築く者、ジェイス》はより簡単に対処されてしまいますが、ゲームに与える影響という点では軍配が上がります。エスパーとのマッチアップではサイドボード後に《思考を築く者、ジェイス》を4枚積みたかったので、スペースの都合の問題から《タッサの二叉槍》を減らしてメインボードに2枚《思考を築く者、ジェイス》を入れることにしたのです。

・土地

 21《島》
 3《変わり谷》

 我々が単色にこだわったのはデッキを安定化させ一貫性のあるものにするためです。2色土地を見るたび、我々はこの問題に悩まされます(少なくとも私はそうです)。エスパーとの対戦を考えると是非とも《変わり谷》は入れておきたいところですが、一体何枚入れればよいのかなかなか決まりませんでした。3枚か、それとも4枚か。このデッキは青マナの要求が激しく、初手に無色マナしかないという事態は避けたかったので、メインボードは3枚だけ入れて1枚をサイドに落とすことにしました。

 《ニクスの祭殿、ニクソス》を使わなかったのは、このカードの必要性を全く感じなかったためです。青単デッキというものはUUUUが用意できればもう十分で、それ以上の青マナを何のために使うのかわからなかったのです。《海の神、タッサ》で自軍のクリーチャーを全てブロックされなくする、という動きをとりたい時もありますが、それはミラーマッチの時のみに有効と考えていて、そして我々はミラーマッチに遭遇することがほとんどないと予想していたのです。

 ところでひとつ疑問なのは、誰もインターネット上でこのデッキについて考察していなかったことです。何度か議論になりかけたことはありましたが、著名なプレーヤーが青単デッキの考察記事を公開することはありませんでした。本当のところ、我々も当初はこのデッキを馬鹿にしていたのですけれどね…


【サイドボーディングについて】

・対赤単

 +2《漸増爆弾》、+2《思考を築く者、ジェイス》、+1《トリトンの戦術》
 -1《タッサの二叉槍》、-2《サイクロンの裂け目》、-1《急速混成》、-1《海の神、タッサ》

 対赤単戦は非常に楽なマッチアップです。あなたのクリーチャーがどれも脅威となるからです。特に《凍結燃焼の奇魔》と《前兆語り》は、防御に回って相手の攻撃を受け止めるには十分なタフネスを備えています。サイド後は《漸増爆弾》を追加することでもっと楽に立ち回れるようになります。《トリトンの戦術》を使って《潮縛りの魔道士》を除去から守ることで、相手の計算を狂わせることもできます。


・対グルール

 +3《霜の壁》、+1《真髄の針》、+1《トリトンの戦術》
 -1《タッサの二叉槍》、-4《審判官の使い魔》

 赤緑デッキにとって《波使い》を対処できるカードは、《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《ミジウムの迫撃砲》しかありません。《霜の壁》は巨大な壁となってグルールの怪物の前に立ち塞がり、ゲームを長期化させる手助けとなることでしょう。《真髄の針》は《世界を喰らう者、ポルクラノス》や《ドムリ・ラーデ》を封じ、《トリトンの戦術》は《世界を喰らう者、ポルクラノス》から《波使い》を守ってくれます。


・対セレズニア

 +3《霜の壁》、+2《漸増爆弾》
 -1《タッサの二叉槍》、-2《思考を築く者、ジェイス》、-2《前兆語り》

 これもまた《森》が入っているデッキの例外に漏れずとても簡単なマッチアップで、もしかすると最も倒しやすい相手かもしれません。《潮縛りの魔道士》を除去される心配がないからです。《海の神、タッサ》を除去できる《セレズニアの魔除け》を抱えてはいますが、逆に言うとそれだけしかセレズニアが有利な点はありません。サイド後は《霜の壁》が《ロクソドンの強打者》、《羊毛鬣のライオン》、ワームトークンの攻撃を受け止め、《漸増爆弾》がワームトークンの居住を防ぐとともに《霜裂きのハイドラ》への回答となるでしょう。カウンターを1つ乗せておくだけで、たとえ10/10のハイドラであっても破壊できます。


・対エスパーコントロール

 +2《霊異種》、+3《否認》、+1《真髄の針》、+2《思考を築く者、ジェイス》、+1《変わり谷》
 -4《雲ヒレの猛禽》、-2《前兆語り》、-2《波使い》、-1《急速混成》

 エスパーとの試合は難しい展開になるでしょう。前述の通り、適切なサイドボードプランの発見のために我々は苦労しました。サイド後は《思考を築く者、ジェイス》が4枚になる分デッキ全体はやや重くなります。《スフィンクスの啓示》など重要な呪文を打ち消せるように《否認》を入れ、追加の土地として4枚目の《変わり谷》も入れます。

 《霊異種》は、デッキに入れるべきかどうかでチーム内で最も揉めたカードです。Pierreはこのカードを、今回のデッキで運用するには重過ぎて唱えられないだろうと考えていました。私は彼に、それは違うだろうと反論しました。なぜなら、対エスパー戦ではどうしてもゲームは長期化しやすく、5枚目以降の土地を死に札にさせない必要があると危惧していたからです。またサイド後には《思考を築く者、ジェイス》と《変わり谷》が追加されるというのも、反論した理由の一つです。

 結局Pierreは《記憶の熟達者、ジェイス》を代わりに採用することにしました。チームの中でも何枚が適正枚数かで意見が割れていて、1枚にとどめる者がいる一方で、私とJeremy、Melissa、Yann、そしてMiguelのように、2枚にした者もいました。もしかしたら他にもいたかもしれませんが、全員の最終リストを全部覚えていないのでわかりません。

 《霊異種》が対オロスコントロールなどの中速デッキを相手にしたときにものすごく強いことから、私はこのカードを心底気に入りました。オロスコントロールとの試合では除去呪文が降り注ぐために《海の神、タッサ》で攻撃できる機会がなく、非常に不利なマッチアップです。《破滅の刃》、《岩への繋ぎ止め》、《神々の憤怒》で《波使い》が対処され、《先導者のらせん》は《夜帷の死霊》を撃墜し、これらのためにオロス側が圧倒的な優位に立つでしょう。その間にも《ボロスの反抗者》を始めとした軍勢があなたを攻撃し続け、しかもそれらを迎撃することは非常に困難です。

 私の3つの負けのうち2つはオロスコントロールとの試合でした。PierreはTop 8に残る過程で何回かこのマッチに勝利したと言っていますが、私にはどうすれば勝てるのか全く分かりません。おそらく1マナ域のクリーチャーを全部抜いて《思考を築く者、ジェイス》や《霊異種》などをサイドインし、コントロールプランにシフトすることになるのでしょうが。もう一つの負けはUri Pelegとの試合で、彼はエスパーを使っていました。彼と全く同じリストを使っているWafo-Tapaと、プロツアー前にあれだけ練習したのに…(´・ω・`)

 LouisとWafo-Tapaはエスパーを、Robはセレズニアをそれぞれ選択し、他は全員が青単信心デッキに決めました。ここまで多くのメンバーが同じデッキを共有することは非常に稀です。我々は一つの大仕事を成し遂げ、今回の結果に大満足しています。13人のメンバーのうち12人が2日目に進出し、7人がマネーフィニッシュして、3人がTop 8に残ったのですから。

 ところでGuillaume Wafo-Tapaについて、ここで言っておかなければならないことがあります。

 1) Wafo-Tapaはエスパーを選択しましたが、彼は決して他のデッキを使おうとはしませんでした。ダブリンに滞在している間に、彼にこう尋ねたことを覚えています。

 「すまないが今回は、君のデッキの調整に時間を割けそうもないよ(だってLouis以外の全員が、エスパーを選択する気がなかったのですから)。ところで君はどうして他のデッキを使おうとしないんだい?」 

 彼の回答は非常に興味深いものでした。

「エスパーというデッキは環境への適合と、正解を見つけ出す作業そのものなんだよ。きっとプロツアーの直前まで正解に辿り着くことはできないだろう。しかしたとえ不本意であっても、君達が僕に付き合ってくれたなら、その時こそパーフェクトなエスパーに辿り着くことができるはずだ」

 2) 調整中に出た結論を再考するというのは奇妙なものです。調整の過程で、《タッサの二叉槍》がほとんどのマッチアップにおいて苛立たしさをおぼえるようなカードであることは明白でした。実際、エスパー以外の相手には必ずサイドアウトしていました。チームメンバーのほとんどがそれを1枚に減らしていましたが、Pierreだけは2枚目を残していました。準々決勝の時、Wafo-Tapaが唱えた《思考囲い》によって、Pierreは次のような手札を公開したのです。

 2《夜帷の死霊》 2《タッサの二叉槍》 2《島》

 この中からWafo-Tapaは《夜帷の死霊》を抜き取ったのですが、結論から言うと彼は《タッサの二叉槍》のためにこのゲームを落とすことになるのです。試合後にWafo-Tapaは、《タッサの二叉槍》を捨てさせるべきだったと後悔していました。この時私は己の過ちに気づかされました。調整中ずっと《タッサの二叉槍》が弱い状況ばかりを私が想定していたことが影響し、Wafo-Tapa もまた《タッサの二叉槍》をPierreの手札に残す選択をしてしまったのでしょう。事実、彼もそうだと認めました。

 3) プロツアーが終わった後のパーティーで、Wafo-Tapaのことを褒めていたPatrick Chapinと話す機会がありました。彼曰くWafo-Tapaはアーティストで、使っていたエスパーデッキは環境のマスターピースだったそうです。彼は今回で通算5回目のプロツアーTop 8入賞を達成しましたが、その一方で彼は数年前にある大きな過ちを犯しています。今年から彼も殿堂候補者の資格を得ることになったので、彼が選出されるよう私はロビー活動に全力で励むつもりです。

 ところで先程の会話の中で、Chapinはこうも言っていました。

「おかしいとは思わないか?Nassifはフランス人だが、チームSCGの一員であって青単を選択し、そして同じくフランス人の君のデッキも同じように青単だった」

 彼はつまり、私がNassifから情報を提供されたのではないかと疑っていたわけです。そこで私はこう返しました。

「君こそおかしいと思わないのか?君達のチームは青単デッキに辿り着いていたわけだけど、俺達のチームメイトであるWafo-Tapaを君は贔屓にしているんだぜ?」

 実際のところSCGと我々の間に接点はなかったのですが、異なるチームがほとんど同じデッキリストに辿り着くなんて何てクールな話なんでしょう。

 同じデッキを使ったチームメイトがワンツーフィニッシュする一方で、私は40位という、決して好成績とは言えない結果に甘んじたわけですが、後悔はありません。デッキ調整の間もJeremyとPierreは非常に熱心に練習していましたし、ドラフトの成績も素晴らしいものでしたので、今回の結果も驚くほどではないのです。

 今回の結果には非常に満足していますし、JeremyとPierreのことをまだまだ祝福し足りないぐらいです。

 果たしてトーナメントの期間中にPierreの役に立ったかは分かりませんが、実は彼にはあるものを渡していました。私はMtGの大会に参加するときは、気に入る音楽や、やる気を出させてくれる音楽、迷った時に道しるべとなってくれるような音楽を探すようにしています。隣席のプレーヤー、アナウンス、対戦相手の遅いプレイなど、試合中に集中を乱す要素はたくさんあります。そんな時は私は音楽を念仏のように聞いて、意識をゲームへと引き戻し、頭の中で歌を歌い続けます。いつでもできる、とても簡単な頭の体操にもなりますよ。

 出発の数日前、私はある柔術の大会の再放送で、(私が大好きな)ロッキーシリーズに出てくる歌のような音楽が流れているのを耳にしました。その曲を調べたところ、Stalloneの出演作である「Over the Top」のサントラであることが分かりました。Sammy Hagarの「Winner Takes It All」です。どうして今までの人生で私はこの曲と出会えなかったのでしょうか!?実にすばらしい曲で、聴いているだけで試合に勝てそうな気がしてきます。私はこの80年代の名曲をPierre Dagenにも教えてあげました。そして彼は、プロツアーの舞台でまさにこの歌そのものになったのです。

 これで今回の記事はおしまいです。

 このプロツアーのためにカードをお貸し頂いたCardhausには大変感謝しています。

 次回お会いする舞台はグランプリ・アントウェルペン、フォーマットは(私の大嫌いな)モダンです。

 See you next time!



記事のライター(Melissa DeTora)と読者のやり取り
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=11438

Aさん
「今週末には青単ミラーが多発すると思うのですが、その場合はどういう風にサイドボーディグをすればいいですか?」

メリッサ
「今日中にはRaphael Levyの記事が公開されると思います。そちらにサイドボードプランが詳しく紹介されているので参考にしてみてください。ちなみに私だったら、《審判官の使い魔》を4枚抜いて、《閉所恐怖症》1枚、《家畜化》2枚、《反論》1枚を入れます。」


Bさん
「先週の大会で僕が赤単を使っていた時に青単と対戦したのですが、正直言ってものすごく不利な試合だと感じました。サイドボードに工夫が必要だと感じ、《霧裂きのハイドラ》を使うためにグルールにした方がいいんじゃないかとすら考えています。」

メリッサ
「確かに赤単とのマッチアップで警戒するべきは《ミジウムの迫撃砲》だけですね。青単にとって赤単はすごく楽なマッチアップです。もし緑を使うようであれば、《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《霧裂きのハイドラ》は青単に有効なのでお勧めですよ。」


Cさん
「《思考を築く者、ジェイス》が3枚というのは確かに強そうですが、《タッサの二叉槍》を抜いてしまって大丈夫でしょうか?私は青単を使ったことがないのですが、クリーチャーでビートダウンしながらカードを引けるのはとても強い動きだと思います。」

メリッサ
「《タッサの二叉槍》が手札に来ても、その時に必ずしもクリーチャーが殴りに行ける状況にあるとは限りません。《タッサの二叉槍》が活躍できるときは、あなたは大方勝っていることが多くて、所謂オーバーキルになるだけです。全体除去が入っているデッキを相手にしてこれが強いとは私は考えていません。」


Dさん
「このデッキに《蒸気の精》を入れるというのはどうでしょうか?」

メリッサ
「《蒸気の精》は確かに強いですが、わざわざデッキに入れるほどのカードではないと思います。マナカーブが歪にならないように1マナのクリーチャーは抜きたくありませんし、現在デッキに入っている2マナのカードはUUという信心を稼いだりクリーチャーデッキへの耐性を高めてくれるので、これも同じく抜けません。しかし《蒸気の精》はミラーマッチやコントロール相手には強いカードではあるので、もしあなたが参加する大会のメタゲームにアグロデッキが少ないようであれば、他の2マナのクリーチャーを減らして2枚ほど《蒸気の精》を入れるとよいでしょう。」


Eさん
「私は《前兆語り》が嫌いなのですが、他にいい2マナ圏のカードが見つかりません。ビートダウンに強い2マナクリーチャーということで、黒をタッチして《蘇りし者の密集軍》を入れています。」

メリッサ
「《蒸気の精》の方が、《波使い》でサイズが大きくなるので強いと思いますよ」


Fさん
「サイドボーディングが難しくて悩んでいます。例えばコントロールデッキとの対戦で、《雲ヒレの猛禽》と《潮縛りの魔道士》のどちらが優れていると思いますか?《潮縛りの魔道士》は信心を稼ぐだけの2/2ですが、《雲ヒレの猛禽》は将来的には巨大な脅威になる可能性があります。」

メリッサ
「《雲ヒレの猛禽》はコントロール戦ではとても弱いですよ。それを強化するには追加で2、3体のクリーチャーを並べる必要がありますが、それは《至高の評決》の餌食になるだけです。《潮縛りの魔道士》は2/2のクリーチャーですが、信心を稼ぐという大切な役割を担っています。《海の神、タッサ》と《思考を築く者、ジェイス》の他にあと1体だけマナコストがUUのクリーチャーがいるだけで、《海の神、タッサ》は攻撃に参加できるようになりますから。要するに《潮縛りの魔道士》の方が強いということです。」


Gさん
「記事にもあるように、オロスコントロールとの試合は厳しい戦いになりそうですね」

メリッサ
「1本目は正直無理ゲーです。」
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=11438


 私は今回のプロツアーテーロスの結果にこの上なく満足しています。私個人の成績はそこまで振るいませんでしたが(マネーフィニッシュまであと1勝でした)、その一方で、Team Revolutionは最高のパフォーマンスを披露しました。チームメイトの3人、つまりJeremy Dezani、Pierre Dagen、そしてGuillaume Wafo-Tapaがtop8に残り、しかもJeremyとPierreは決勝戦に進出しました。チームメイト13人中12人が2日目に進出とほぼ100%近い数字を叩き出し、そのうち60%以上がマネーフィニッシュでした。

 どうしてここまで成功したのでしょうか?理由は簡単で、私たちが最高のデッキを大会に持ち込み、メタゲームを正確に予測し、分の悪いマッチアップに対して優れたサイドボードを用意できたからです。この記事ではどうして私たちが青単色デッキに注目し、どのように調整し、どうやって最終的なリストに至ったかを解説しようと思います。

 何故青単なのでしょうか?

 最初期のリストはこのようなものでした。

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《潮縛りの魔道士》
2 《前兆語り》
4 《夜帷の死霊》
4 《海の神、タッサ》
4 《波使い》

3 《タッサの二叉槍》
3 《分散》

20 《島》
4 《変わり谷》

 最初にこの青単色デッキを見た時、私には冗談を言っているようにしか見えませんでした。《審判官の使い魔》!?《凍結燃焼の奇魔》!? 他にも《潮縛りの魔道士》のように用途の狭いカードや、他のビートダウンデッキと比べて線の細いクリーチャーばかりで、まさに紙束です。《タッサの二叉槍》だけは面白そうで、メルカディアンマスクスがスタンダード環境にあった頃のデッキに入っていた《沿岸の海賊行為》を思い出しました。つまり《リシャーダの飛行船》、《トゲ尾の雛》、《厄介なスピリット》のような飛行クリーチャーを《妨害》や《撃退》のようなピッチカウンターで守るデッキのことです。それはさておき、現在のようにパワフルなクリーチャーがひしめくスタンダード環境で、青単デッキが活躍するとはとても思えませんでした。

 しかし実際にデッキがどう動くのかを見てみたところ、私たちが用意したデッキの中で最高のマナカーブを描くことが分かりました。《雲ヒレの猛禽》、《潮縛りの魔道士》、《夜帷の死霊》、《タッサの二叉槍》という動きはまさに勝利の方程式ですし、《海の神、タッサ》はブロックされない脅威で、しかも《拘留の宝球》以外では対処できません。占術のおかげで、クリーチャー化に対する信心の要求も簡単に達成できます。《波使い》はばかげた強さのカードで、トークンの群れとプロテクションのおかげで、ほとんどの除去やクリーチャーに耐性が付きます。

 この時、このデッキは強いと私は確信しました。緑を中心にしたアグロデッキとのマッチアップはByeをもらうようなもので、しかもプロツアーにはそういったデッキが多数存在すると予想されます。問題はコントロールデッキとの対戦で、その場合は大体負けてしまいます。

 《海の神、タッサ》といえども、信心が足らなければ弱くなります。エスパーコントロールなどとの試合では、除去を連打されてしまい簡単に信心は足りなくなります。1枚の《至高の評決》で戦場は壊滅してしまい、たとえ毎ターンの占術をもってしても早期に回復することは困難でしょう。エスパーとの対戦を長期化させるのはまずく、仮にそれを許してしまうと巨大な《スフィンクスの啓示》を唱えられてゲームオーバーです。《霊異種》でも同じです。

 エスパー相手に敗色濃厚なデッキなんて選択したくありません。エスパーはプロツアードラゴンの迷路では最高のデッキだったので、多くのプレーヤーが今回のプロツアーでもそれを使ってくると予想していました。たとえそれがベストな選択でなかったとしても、です(Wafo-Tapaがまさにいい例です)。私たちは改善のために試行錯誤を始めました。

 まず全員が同じ手法に辿り着きました。デッキを青黒にして《思考囲い》などをデッキに入れるというものです。《湿った墓》と《欺瞞の神殿》を4枚ずつ入れれば《破滅の刃》や《遠隔+不在》もデッキに入りうる良い選択肢になります。早速《思考囲い》がメインボードに4枚入ったデッキを用意して、エスパーコントロールと再び対戦してみました。

 しかし残念なことに、《思考囲い》は私たちが求めていたような働きはしてくれませんでした。最大のガンは《至高の評決》なのですが、もしエスパー側がそれを手札に抱えていなければ《思考囲い》は有用性が極めて低いものになります。仮に3枚の単体除去がある手札から1枚の《破滅の刃》を捨てさせたところで、それが一体何だというのでしょうか。サイドボード後に《強迫》を追加してみても大して相性が改善されるわけでもなく、結局《至高の評決》か《スフィンクスの啓示》を捨てさせられるときに限り、ハンデス戦略は有効だったのです。

 さらに悪いことに、特殊土地を加えたことでアグロデッキとの相性も悪くなってしまいました。《湿った墓》からの2点ダメージや、《欺瞞の寺院》のタップインによるテンポロスの影響です。こうなってしまうと、もはや黒タッチはあきらめざるを得ません。

 こうして単色に戻ることになりました。クリーチャーデッキに対して圧倒的に強いデッキを抱えていながら、唯一勝てないのがエスパーなのです。つまりこの点を解決できれば、このデッキこそがまさにプロツアーで使用するべきデッキとなります。エスパーに勝てない主な原因は、こちらのクリーチャーが高確率で除去され、《海の神、タッサ》がほとんどの場合にただ毎ターン占術ができるというだけの3マナのエンチャントに成り下がるところにあります。戦場にクリーチャーを残すのは難しいということで、青の信心を稼ぎやすい他のパーマネントを用意することにしました。《タッサの二叉槍》はまさにその一例ですが、しかしこれはクリーチャーの有無に大きく依存します。そんな折、James Searlesによって「《思考を築く者、ジェイス》はどうか?」という意見が出されました。

 《思考を築く者、ジェイス》こそ、このデッキに足りてなかったカードそのものでした。プレインズウォーカーは直接の対処がクリーチャーよりも難しい分戦場に残りやすく、《海の神、タッサ》はクリーチャーの状態を維持できます。また《思考を築く者、ジェイス》は《困惑の石》効果(-1/-0修正)で戦闘から自身を守ることもできます。さらに《思考を築く者、ジェイス》はエスパーとの対戦で重要となるカードアドバンテージを供給してくれます。エスパー側にとってこれを除去する手段は限られ、しかも戦闘で破壊というのはまず不可能です。《思考を築く者、ジェイス》は、対エスパーのマッチアップでは最高のカードになるのです。

 《記憶の熟達者、ジェイス》に関しても同様に検討しました。《思考を築く者、ジェイス》ほどではありませんが、こちらもエスパーにとってJaceという脅威に変わりありません。《記憶の熟達者、ジェイス》の問題点を挙げるとすれば、コントロールデッキのミラーマッチと異なり、それが緊急性の高い脅威になりえないことです。10枚のライブラリーを削るだけでは不十分で、+0能力で相手を倒すには3~4回の起動が必要となります。つまりそれだけのターンを相手に与えるわけですが、エスパーにとってそれは回答に辿り着くには十分すぎる時間です。+1能力を数回使う方がまだマシですが、追加で1枚のカードを引いていてもエスパーを倒すことはできません。

 木曜日の夜に参加登録を終えた後、ホテルに戻ってみると、Raphael Levyが《記憶の熟達者、ジェイス》の代わりに《霊異種》を2枚サイドボードに仕込むと言い出しました。土地が24枚しか入っていないデッキに《霊異種》を入れるなんて、私には信じられません。青マナを1つ立たせて《霊異種》を唱えることになるので、これはマナコストが7のクリーチャーなのです。そのため私は1枚に抑えるようにしたのですが、それは2枚になりました。というのもLevyの言い分が合理的で、考えれば考えるほどそれが正解ではないかと感じるようになったのです。

 私たちの青単デッキは高速ビートダウンであるため、エスパー側は毎ターン除去を連打して《海の神、タッサ》を活用させないようにしなければなりません。とはいえ除去は割と簡単に尽きるものです。それを狙って私たちは《否認》をサイドボードに取ることで、《スフィンクスの啓示》など鍵となる呪文を打ち消せるようにしました。ちなみに、いざという時のために《破滅の刃》を回避することもできます。これで相手は常に脅威に晒されることになります。もしフルタップで《霊異種》を出しても、ちょうど相手は除去呪文を切らしているかもしれません。《アゾリウスの魔除け》のように《霊異種》に対して無力なカードを抱えているかもしれません。序盤にある程度のダメージを与えておけば、あとは《霊異種》で1~2回殴るだけでゲームは終わりです。

 《霊異種》を採用するにあたって、サイドボードに追加の土地を入れることにしました。こういう考え方は私の好みでもあります。元々《変わり谷》がコントロール以外とのマッチアップでそれほど強くないことと、そのせいで呪文が台無しになることがありました。3ターン目にUUUを用意できなかったり、4ターン目や5ターン目にUUのカードを2枚唱えられないのです。こういう事情から《変わり谷》をメインボードに4枚入れておくのは難しいと判断してサイドボードに1枚を落とし、追加の《島》としてサイドインできるようにしました。

 この青単信心デッキではデッキの中の多くのカードを見ることができます。《思考を築く者、ジェイス》と複数の占術の恩恵を受け、《霊異種》を引き当てるまでにゲームを十分にコントロールできるでしょう。《霊異種》を2枚取ることには別のメリットもあります。仮に《思考を築く者、ジェイス》の能力で《霊異種》が捲れた場合、相手はまず間違いなくそれと他2枚の山に分けるでしょう。そして相手はこちらのデッキに《霊異種》が1枚しか入っていないと考えるはずです。是非とも2枚の方の山を手札に加え、喜んで《霊異種》をライブラリーの底に送りましょう。相手はもう二度と《霊異種》に遭遇しないと勘違いしているでしょうから、そこで2枚目の《霊異種》を送り出して驚かせてあげましょう。夜が明けるまでに、《霊異種》の枚数は2に決まりました。

 結局チームメイトのほとんどが《霊異種》をサイドに2枚取ることにしましたが、それでも何人かは《記憶の熟達者、ジェイス》を主張していました。Pierre Dagenはアンチ《霊異種》派のひとりです。ちょうど私が最初に感じていた理由と同じで、土地が5枚しかない内にそれを引いてしまうことを嫌っていたのです。一方でJeremy Dezaniは《霊異種》プランを選択することにしました。

 木曜日の夜にトーナメントで試してみた結果、デッキはとても好感触でした。強力かつ有望なデッキを完成させることができ、最悪だったマッチアップの問題も解決することができました。以下が今回のプロツアーで使用したリストです。

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《潮縛りの魔道士》
2 《前兆語り》
4 《夜帷の死霊》
4 《海の神、タッサ》
4 《波使い》

2 《思考を築く者、ジェイス》

1 《タッサの二叉槍》
2 《サイクロンの裂け目》
1 《急速混成》

21 《島》
3 《変わり谷》


2 《霊異種》
2 《思考を築く者、ジェイス》
1 《変わり谷》
3 《否認》
1 《真髄の針》
2 《漸増爆弾》
1 《トリトンの戦術》
3 《霜の壁》


 ホテルに備え付けらえていた観光客カードの絵柄がかわいかったので、そこからこのデッキを「Sea Life」と名付けました。

 御覧のように、最初に組んだ時のリストからほとんど変化がありません。《分散》はほぼ上位互換の《サイクロンの裂け目》に取って代わりました。バウンス呪文をデッキに入れたくなることは滅多にないのですが、超過でも唱えられるという選択肢はとても魅力的です。さらに《急速混成》についても1枚だけ入れることにしました。このカードはとても強力で、2枚目を入れようかと悩んだくらいです。《急速混成》はたった1マナでどんなクリーチャーでも倒すことができます。3/3の蛙トカゲが残ってしまいますが、それは大した脅威ではありませんし、《潮縛りの魔道士》で寝かせることもできます。またこちら側のクリーチャーを3/3にすることもできます。対戦相手の除去呪文に対応して唱えたり、サイズの小さいクリーチャーを強化したり、コンバットトリックとして《雲ヒレの猛禽》を進化させたり、《海の神、タッサ》を対象に唱えて3/3を戦場に追加したり、など使い方は様々です。

 《思考を築く者、ジェイス》の枠を用意するために《タッサの二叉槍》を減らしました。このようなことは言いたくないのですが、《タッサの二叉槍》はこのデッキの中で最も弱いカードのひとつです。もし《タッサの二叉槍》が輝く状況があるとすれば、それは別のカードであってもいいような時でしょうし、もし腐るような状況ならそれはもうゲームオーバーです。《至高の評決》を打たれた返しのトップデッキは最悪な例ですし、《海の神、タッサ》がいない時に相手の側にこちらよりも優秀なクリーチャーが並んでいたら無用の長物になります。しかしそれでも、たまにこのカードは大活躍してくれることもあるので、1枚だけデッキに忍ばせています。これは実際にプロツアーで、私が青白コントロールとマッチアップされていた時の話なのですが、私は《波使い》とそのトークンを含めた大量のクリーチャーをコントロールしていました。「次のターンあたりに《至高の評決》を打たれそうだな…」と思っていたところで《タッサの二叉槍》をトップデッキしました。即座にそれを叩きつけて攻撃し、6枚のカードを引くことができました。予想通りその返しに《至高の評決》が飛んできて戦場は壊滅したのですが、その直前に引き増したカードのおかげで難なくそのゲームを勝つことができました。ちなみにこれが今大会を通して《タッサの二叉槍》でドローできた唯一の機会です。結局、このカードができることは大したものではなく、《思考を築く者、ジェイス》の方が優れている場合がほとんどです。

 対コントロール戦(エスパー、青白、トリコ、オロスなど)では、以下のようなサイドボーディングをします。

+1《変わり谷》、+2《霊異種》、+3《否認》、+2《思考を築く者、ジェイス》
-4《雲ヒレの猛禽》、-2《波使い》、-1《タッサの二叉槍》、-1《急速混成》

 当然ですが、どんなデッキと対戦しているかによって多少の変更はあります。《波使い》は簡単に除去されてしまうのでコントロールとの対戦ではあまり強くありませんが、除去を火力に頼っているトリココントロールは例外になりえます。《幽霊議員オブゼダート》が入っているオロスコントロールとの試合では《急速混成》が欲しくなります。ここに示したのは基本となる大雑把なプランであって、その都度適切なin/outを判断していく必要があります。多くの場合、基本的には《雲ヒレの猛禽》と《タッサの二叉槍》を抜いて、あとは相手がどんな除去をどれだけ持っているか次第です。もしかしたら《審判官の使い魔》もサイドアウトの候補になるかもしれません。

 いずれにせよ、このサイドボーディグプランは素晴らしいものだと考えています。プロツアーで私が対戦した青白、エスパー、オロスに対して、いずれのマッチでも第1ゲームは負けましたが、残りの第2,第3ゲームを取り返すことができました。《霊異種》はまさに驚異的な強さでした。25枚もの土地のおかげで、7ターン連続で土地をセットし、《霊異種》を叩きつけて、そのまま勝利できたのです。

 残りのサイドボードについて、《真髄の針》以外はどれも気に入っています。《真髄の針》は《歓楽者ゼナゴス》《世界を喰らう者、ポルクラノス》《ドムリ・ラーデ》に対処するために採用しました。本番のプロツアーでは、私は1回だけこれを使う機会がありました。その時は青黒コントロールと対戦していて、《悪夢の織り手、アショク》を指定しました。第1ゲームで《悪夢の織り手、アショク》でこちらの《波使い》を奪われ、4体のトークンを出されて負けていたためです。このゲームでは《真髄の針》は確かに相手の《悪夢の織り手、アショク》を封じてくれましたが、今度は相手が自身の《波使い》を唱えてきたのです!これを捌き切ることができず、結局そのマッチを落としてしまいました。《真髄の針》である別のカードを対処しようとデッキに入れたとしても、それが毎回盤面に影響を与えるとは限りません。そういうやり方が嫌いということもあって、《真髄の針》はデッキに入れるべきではなかったと思います。

 《霜の壁》は非常に強力で、青い信心を2つも稼いでくれるばかりでなく、ほぼ全てのクリーチャーの攻撃を受け止めることができます。ブロックされたクリーチャーは次のターンにアンタップしなくなるので、対戦相手は複数のクリーチャーをコントロールしない限り攻撃しなくなります。もしあなたが《思考を築く者、ジェイス》の+1能力を使い始めたら、もはや相手は攻撃することがほとんど無意味になります。

 《漸増爆弾》はセレズニアのトークンを流したり、このデッキの天敵である《霧裂きのハイドラ》を除去するためのカードです。当たり前ですが、プロテクション(青)はこのデッキにとってどうしようもありません。私たちの調整では、《霧裂きのハイドラ》はコントロールとの試合で非常に強力なサイドボードになると想定していたのですが、実際にプロツアーで見た《霧裂きのハイドラ》は当初の予想よりも少なかったです。対セレズニアのみを目的とする《漸増爆弾》は必要なく、プロツアーテーロスのメタゲームでは《霧裂きのハイドラ》はそれほど見かけなかったので、今回はデッキに必要なかったかもしれません。しかしながら、《漸増爆弾》が《霧裂きのハイドラ》に対処できる唯一の方法であることは変わりません。

 《トリトンの戦術》はサイドボードの中では最も興味深いカードに映るでしょう。主な用途は《神々の憤怒》や超過《ミジウムの迫撃砲》を無効化することです。結局プロツアー中に一度もプレイすることはありませんでしたが、赤系デッキとの対戦の時にもし引けていたなら、きっと大活躍していたはずです。このカードは他にももっと多様な使い道が考えられます。唱えた時には、きっと対戦相手は驚くことでしょう。

 プロツアーでここまで青単デッキが台頭するとは正直私たちは予想しておらず、サイドボードを用意していませんでした。青単デッキを選択する唯一のチームではないかとすら思っていましたが、実際はそうではありませんでした。Team SCGでは10人のプレーヤーが青単を選択していますし、スウェーデンのチームもまた青単をプレイしていました。間違いなく青単はプロツアーで最高のデッキであり、誰もこうなることを予想できなかったでしょう。そして実際に、青単は環境を席巻します。

 今後青単はtier1に数えられることになるでしょう。私たちの場合、ミラーマッチ用には1枚もサイドボードを用意しませんでしたが、今後は必要になるでしょう。既にいくつか候補は用意しています。もちろん《反論》のように分かりやすいものでも大丈夫ですが、もう少しメジャーではない選択肢もあります。

 1つ目は《閉所恐怖症》です。これは1体のクリーチャーしか対処できないので《波使い》に対して無力であり、対青単に限ればそこそこのカードでしかありませんが、他のクリーチャーデッキ相手にもサイドインすることができます。2つの青の信心を増やしながら、様々なクリーチャーへの対処が可能です。

 もう1つのお勧めは《家畜化》です。このカードは相手の《夜帷の死霊》を奪えるなどミラーマッチで大変強力ですが、最も活躍するのは《波使い》を奪った時です。相手の《波使い》を《家畜化》できれば、トークンを一掃した上に信心を3つも増やすことができます。さらにはこちらが《波使い》を唱えた時、そのトークン達はさらに強化され、倒すことが難しくなるでしょう。

 ここまでをまとめると以下のように改良できます。

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《潮縛りの魔道士》
2 《前兆語り》
4 《夜帷の死霊》
4 《海の神、タッサ》
4 《波使い》

3 《思考を築く者、ジェイス》

2 《サイクロンの裂け目》
1 《急速混成》

21 《島》
3 《変わり谷》


2 《霊異種》
1 《閉所恐怖症》
2 《家畜化》
1 《反論》
1 《思考を築く者、ジェイス》
1 《変わり谷》
2 《否認》
2 《漸増爆弾》
1 《トリトンの戦術》
2 《霜の壁》


 《思考を築く者、ジェイス》はこのデッキのおける最高のカードの一つですので、3枚目をメインボードに移して、逆に弱く感じていた《タッサの二叉槍》を抜きました。サイドボードの枠に余裕が生まれたので、そこに対ミラーマッチ用のカードを用意しました。

 本当はもう少しこのデッキのプレイについて解説したいところなのですが、続きはチームメイトのRaphael Levyに譲ろうと思います。今週中には彼の青単デッキに関する記事が公開されると思うので、そちらも御覧になって下さい。

 次回のビッグイベントはコロンバスで開催されるTCGplayer Invitationalになります。会場で私を見かけた方は、遠慮なく声をかけて下さい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

10月4日の日記

2013年10月4日 TCG全般
メモ

3 Godless Shrine
4 Hallowed Fountain
5 Island
4 Plains
4 Temple of Deceit
4 Temple of Silence
3 Watery Grave

2 Aethering
2 Blood Baron of Vizkopa

4 Jace, Architect of Thought

4 Detention Sphere
1 Devour Fresh
2 Doom Blade
3 Hero’s Downfall
3 Psychic Strike
4 Sphinx’s Revelation
4 Supreme Verdict
3 Thoughtseize
1 Ultimate Price


1 Annul
1 Devour Fresh
2 Dimir Charm
1 Doom Blade
2 Gainsay
2 Negate
3 Nightveil Specter
3 Pithing Needle

若猫杯

2013年9月29日 TCG全般
スタン
R1 エスパー ○××
R2 ゴルガリ ×○○
R3 赤単 ○××
ドロップ

レガシー
R1 デス&タックス ×○○
R2 食物連鎖 ××
R3 ドレッジ ××
R4 デスブレード ××
ドロップ

ボロマケヤデー
関東に行く用事があったのでついでに

デッキはエメリアポッド

R1 RUGデルバー ×○○
R2 WUG続唱 ○○
R3 グルールビートダウン? ×○-

びみょう

9月16日の日記

2013年9月16日 TCG全般
エタフェス(とその後の晴れる屋平日レガシー)で得た教訓を踏まえてデッキを改良した

次にレガシーやるのがいつになるのかわからないし、その時にこのデッキを使うのかもわからないけど忘れないうちにメモとして残しておく

4 Stoneforge Mystic
2 Wall of Omens
4 Blade Splicer
2 Pilgrim’s Eye
1 Flickerwisp
3 Restoration Angel
1 Wall of Reverence
1 Solemn Simulacrum
1 Reveillark
1 Karmic Guide
2 Sun Titan

2 Parallax Wave
1 Birthing Pod
1 Oblivion Ring
1 Goblin Bombardment
1 Enlightened Tutor
4 Swords to Plowshares
1 Batterskull
1 Umezawa’s Jitte
1 Mortarpod
1 Basilisk Collar

10 Plains
1 Mountain
1 Plateau
1 Savannah
4 Arid Mesa
1 Windswept Heath
2 Emeria, the Sky Ruin
1 Kor Haven
1 Karakas
2 Wasteland

4 Red Elemental Blast
2 Oblivion Ring
2 Wrath of God
2 Grafdigger’s Cage
1 Seal of Cleansing
1 Trinisphere
1 Pithing Needle
1 Sword of Light and Shadow
1 Celestial Purge

使ったデッキはエメリアポッド。

4 Stoneforge Mystic
2 Wall of Omens
3 Blade Splicer
3 Pilgrim’s Eye
1 Flickerwisp
1 Wall of Reverence
3 Restoration Angel
1 Academy Rector
1 Solemn Simulacrum
1 Geist-Honored Monk
1 Reveillark
1 Karmic Guide
2 Sun Titan

2 Parallax Wave
2 Birthing Pod
1 Goblin Bombardment
3 Swords to Plowshares
1 Batterskull
1 Umezawa’s Jitte
1 Mortarpod
1 Basilisk Collar

10 Plains
1 Mountain
1 Plateau
1 Savannah
4 Arid Mesa
1 Windswept Heath
2 Emeria, the Sky Ruin
1 Kor Haven
1 Karakas
2 Wasteland

4 Red Elemental Blast
2 Rule of Law
2 Celestial Purge
2 Wrath of God
2 Seal of Cleansing
1 Sword of Light and Shadow
1 Swords to Plowshares
1 Surgical Extraction

SnTやANTのようなデッキに対しては総じて不利だけど、それ以外のデッキ(RUGデルバー、デスブレード、BUG続唱、ジャンド、奇跡コントロールあたり)には大体5分以上には戦えるだろうと考えた。
それらとのマッチアップを絶対に勝つつもりで、コンボには負けてもいいと開き直る決断を下した。かなり博打めいた発想なのだけれど…

R1 Omni-Tell@小室修さん ××
G1 1t目フェッチから島→定業と動かれた瞬間にマッチ負けの運命を悟る
G2 1発目のSnTはREBで弾くも2枚目をカウンターできず

R2 URペインター ×○×
G1 StPを引けないままペインターコンボが揃ってしまった
G2 無限コンボが決まって勝ち(と思ってたけどオラクル変更のために実は無限が成立してなかったことを後からジャッジに注意された)
G3 相手どぶんで先手2キルされる

R3 バントアグロ ××
G1 3tトラフト→目くらまし3連打で爆発四散
G2 こっちダブマリの一方で教主→トラフト→ハルマゲドンと動かれて蹂躙された

R4 MUD ○×○
G1 相手事故
G2 コロ助速攻アタックという唯一の負けパターンをケアし忘れて頓死
G3 パララクスの波でブロッカー全部どかして無理やりダメージレースした

R5 RUGデルバー ×○○
G1 1t目虫、2t目虫、両方変身してカウンターを構えられましたが何か?
G2 StPとREBを都合よく引けて虫とタルモを片っ端から除去してたら勝った
G3 エメリア×2がアクティブになるまでゲームをぐだらせた

R6 バントアグロ ○×○
G1 パララクスの波でだらだらしていたら白タイタンにつながった
G2 トラフトがエルズペスで空を飛んじゃってブロックできないのー><
G3 細菌トークンが白黒剣と殴打頭蓋を装備してしまった

R7 Death&Tax ○○
G1 相手がマリガンの闇に飲まれる
G2 マナスクリューに飲まれる

R8 URデルバー ×○○
G1 肝心のところで1回だけ目くらましをケアしないよくばりプレイをしたら、お咎めおじさんが降臨して見事にぶっささってラバマンサー除去れなくなってgg
G2 前兆の壁で地上がビタ止まりしてるうちに白タイタンに到達
G3 殴打頭蓋最強

R9 トリコデルバー@saitomuさん ○×○
G1 パララクスの波と迫撃鞘で相手のクロックを全部潰した
G2 平地以外の土地しか引かず、もみ消しと不毛を合わせられてマナ基盤が壊滅
G3 2t目石鍛冶、3t目接合者、4t目石鍛冶の高速ビートダウン

最終成績 ×××○○○○○○
3連敗スタートしてひとしきり皆に煽られてから、気合の6連勝。

コンボデッキを踏まなかったのがラッキーでしたわ^^

wakaran

4 Stoneforge Mystic
2 Wall of Omens
1 Kitchen Finks
3 Blade Splicer
3 Pilgrim’s Eye
1 Flickerwisp
1 Wall of Reverence
3 Restoration Angel
1 Academy Rector
1 Solemn Simulacrum
1 Geist-Honored Monk
1 Reveillark
1 Karmic Guide
1 Sun Titan

2 Parallax Wave
2 Birthing Pod
1 Goblin Bombardment
3 Swords to Plowshares
1 Batterskull
1 Umezawa’s Jitte
1 Mortarpod
1 Basilisk Collar

10 Plains
1 Mountain
1 Plateau
1 Savannah
4 Arid Mesa
2 Emeria, the Sky Ruin
1 Kor Haven
1 Karakas
1 Mistveil Plains
2 Wasteland

4 Red Elemental Blast
2 Rule of Law
2 Celestial Purge
2 Wrath of God
2 Seal of Cleansing
1 Swords to Plowshares
1 Sun Titan
1 Surgical Extraction
エタフェスにてbayouとbadlandsを3枚ずつ


ただし暫定の選択肢を増やしたいだけで実際借りるかはわからん
参加することになった

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