http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gphan09/day2#11

 貼り出されたRound15のペアリングを見て、中村修平は嬉しそうだ。同じ点数のプレーヤーの中でoppが最上位の彼は、Michal Hebkyと上当りした。Hebkyはラウンドの途中で引き分けてしまったので、最終戦でIDできない位置に来たわけだ。要するに、もし中村が勝てば、計算上ではおそらくtop8に残ることが可能、もしHebkyが勝てば、問答無用でtop8確定。そのプレッシャーに気圧されることなく、中村はこれが最後になるかもしれない試合の準備を始めた。 

 中村は2体の《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》で攻め立て、それらが《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》で流されるまでにHebkyのライフを8にまで削り落とした。さらに《長毛のソクター/Woolly Thoctar(ALA)》を2連打したが、うち1枚目はカウンターされる。Hebkyは《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》で手札を整理し自分のペースに持ち込もうとするのだが、攻撃を受けて彼のライフは4に落ち込んでしまう。もはや彼の妖精達は単なるチャンプブロック要員でしかない。そのまま《炎の印章/Seal of Fire(DIS)》と《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda(CHK)》が勝負を決めてしまった。Hebkyは《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte(BOK)》のために《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》を抱えていたのだが、怒涛の攻勢の前にはそんなものは必要なかった。


 Shuhei Nakamura 1 – 0 Michal Hebky


 二人とも静かにサイドボーディングを終えGame2を開始した。中村はプロツアーで最も寡黙な選手とされているが、勝った暁にはこのPoYは大声を上げるに違いない。

 両者マリガンはなしで初手をキープ。今度はGame1のように《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》ビートはさせまいと、Hebkyが《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》X=1でキックオフ。Game2の中村の行動はGame1のそれとは異なり、《寺院の庭/Temple Garden(RAV)》から《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda(CHK)》を導いた。まあ、どのみちHebkyは爆弾を炸裂させるのだが。中村は2枚目の土地を置けず、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》起動の返しで《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》を追加する。マナ不足でもなんとかゲームを掌握しようとしているようだ。

 中村のドローステップにHebkyが《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》をプレイしたことで、彼の手札が《火山の流弾/Volcanic Fallout(CON)》、《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》×2、《硫黄の渦/Sulfuric Vortex(SCG)》、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda(CHK)》、《長毛のソクター/Woolly Thoctar(ALA)》、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》であることが判明した。そこから2/2が消え去り、中村は三人衆を《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》でどかして《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》で攻撃を継続する。次のターンにも《硫黄の渦/Sulfuric Vortex(SCG)》を試みたが、それをHebkyは《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》で差し戻し、返しで彼は1マナを立たせつつ《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage(EVE)》をプレイした。大魔導師を前にして、中村は《長毛のソクター/Woolly Thoctar(ALA)》によるビートダウンに作戦を変更する。この巨大なビーストが攻撃を開始し、ゲームは油断がならないものになってきた。

 《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage(EVE)》が《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte(BOK)》を装備したことでHebkyの顔が急に引き締まった。大魔導師が一撃を加え、十手の上にカウンターが二つ乗る。中村の攻撃でHebkyのライフは8にまで落ち込むものの、十手のカウンターと合わせて《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》で《長毛のソクター/Woolly Thoctar(ALA)》を相打ちに取ることに成功した。

 中村は《火山の流弾/Volcanic Fallout(CON)》でHebkyのライフを6に減らしつつ、《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage(EVE)》を除去。それは頑強で場に舞い戻り、装備品が外れた。Hebkyは再び《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》を試みたが、対応しての中村の2枚目の《火山の流弾/Volcanic Fallout(CON)》によって2体のクリーチャーが墓地送りに。

 Hebkyのしもべは死に際に中村の手札を暴き出したが、そこに見えたのは《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》、《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》、《火葬/Incinerate(10E)》、《硫黄の渦/Sulfuric Vortex(SCG)》、そして土地だ。《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》を底に送ったものの、いきなりHebkyにとって問題が山積みとなった。トーナメントが始まるまで、中村が「Zooは好きじゃない」と嘆いていたなんて、一体どうして信じられようか。中村は《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》をプレイし、ターンを返した。

 最後の抵抗の《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》を焼き焦がすことぐらい、《炎の印章/Seal of Fire(DIS)》があれば十分だった。今や中村の運命は、他の試合の結果次第となった。人事は全て尽くした。あとは待つだけだ。


 Shuhei Nakamura wins 2 – 0!

コメント

nophoto
ぼぶ
2009年3月21日2:16

このナカシュウのデッキのレシピない?

abkn
2009年3月21日6:49

残念ながら具体的なレシピは発見できませんでした。私見ですが、おそらく斎藤プロのzoo(ttp://harurumtg.blog41.fc2.com/を参照)から、《炎の印章/Seal of Fire(DIS)》と《流刑への道/Path to Exile(CON)》を1枚ずつ抜いて《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg(LRW)》に変えた構成ではないかと思われます。

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